クライミングのルールって?
よくある質問シリーズ~第一回~
3日スタッフをやってると1回は聞かれる質問です。YOUTUBEで予習してくる人もいますが、スタートとゴールについては分かっていてもクライミングのルールについてわかっているひとは少ないように思います。
なんでルールがわかりづらいの?
東京オリンピックの競技になってから日本でも少しずつメジャーになりつつあるクライミングですが、他のメジャーなスポーツに比べるとまだまだ競技としては新しいです。スポーツクライミングの団体も「どうすればもっと興味を持ってもらえるのか?」「クライミングを知らない人が観ていて楽しいのか?」と試行錯誤している段階で毎年のように競技ルールの改定があります。資格持ちの審判でさえ、細部まで完璧に把握していない人が多いです。A級やB級の上級審判はそんなことないですが。
例えば、10年前は今のような課題はほとんどありませんでした。現在はクライミングといえば大きなカラフルなホールドに選手が忍者のように跳びつくイメージが強いと思いますが、一昔前は将棋の駒くらいの細かいホールドを握りこんで上がっていく課題も数多くありました。課題の移り変わりにも色々な理由がありますが、その中の一つには大きなホールドに跳びつく課題の方がクライミングをしない人にも見ていてわかりやすく、楽しいという面があります。
さて、二つ目の理由ですが、3種類の種目が複合していたことにもあると思います。クライミングには多様な種類がありますが、スポーツクライミングではそのうちの3種が正式種目として採用されています。またこれらの種目も独立して競技としてあるのではなく、それぞれを行い複合した点数で総合した順位をつけることもルールを分かりにくくしている一因だと思います。正式種目には「ボルダリング」「リードクライミング」「スピードクライミング」の3つがあり、今回は初心者の方が取り組むことの多いボルダリングについて説明しようと思います。
ボルダリングのルール
ボルダリングの基本的なルールは3つあります。
➀「決められたホールドしか使わない」
②「スタートホールドを両手で持ち、両足が地面から浮いた状態でスタート」
③「ゴールホールドを両手で持ち、体が安定したらゴール」
この3つです。
ここに時間制限やハリボテ、ボルト穴、カンテの使用可不可など細かいルールが不随してきますが、ややこしくなってくるのでまた後日ふれる機会があればそちらで書きたいと思います。
日ごろクライミングを楽しむのであれば、とりあえず上記の3つがわかっていれば問題なくクライミングを行えます。
大会に出ると...
キッズコンペ、草コンペ、公式大会...。クライミングの大会も一昔前に比べてたくさん増えてきました。最後に順位のつけ方について記述したいと思います。
基本的には制限時間内に何点取れたかを競います。コンペによって「セッション方式」「ベルコン方式」「オリジナルルール」など色々な方法があるため、今回は共通する部分のみ紹介します。
①制限時間あり
多くの草コンペは予選を60分~120分程度で行います。間に休憩をはさみ、2セットに分けて行う場合もあります。たくさんの選手が同じ会場で一斉に課題を選んで登ります。
②課題の難しさによって点数が変わる
登れた本数ではなく、点数で競います。簡単な課題をたくさん登るより難しい課題を登った方が点数が高くなる傾向が高いです。一つ難しさが上がると点数が3倍程度になることが多いです。(5級の課題が10点なら4級の課題は30点など)
③予選の上位者で決勝あり(ない場合も)
草コンペでも決勝があることが多いです。決勝では人数が少ないため、選手が一人ずつ登るベルコン方式を採用する場合もよく見られます。試合の形式についてもまた機会があれば別の記事で紹介します。
わからないことは何でも質問しよう
クライマーは気さくな方が多いように思います。困っていると助けてくれる方が多いです。困った時には周りの人に助けを求めましょう。ただし、中には集中して自分の課題に取り組んでいる人もいるので、まずはジムのスタッフに聞いてみてください。
楽しいクライミングライフを!