クライミングって危なくないの?
よくある質問シリーズ~第2回~
「高いところが怖い」という人も多いと思います。高さ4mほどの壁をマット1枚で登るクライミング。体験会をやっていると子どもを連れた保護者の方から「クライミングって危なくないの?」と聞かれることも多いです。今回はクライミングの危険性についてふれていきたいと思います。
ポイントを押さえてルールを守れば安全です。
クライミングに限らず、なにをするにもルールを守らないと危険が付きまといます。保護者の方が何が危険かをしっかりと理解し、子どもを見守ることで安全性を高めることができます。安全に登るポイントを以下に記述します。
➀目を離さないようにしよう
クライミングジムでは子どもから目を離さないようにしましょう。登っている人は下のことに注意が回りません。子どもが保護者の目を離れ、ジム内を走り回ると大変危険です。※登っているクライマーの下を走り抜ける子どもを時々見ます。
②準備運動をしっかりしよう
クライミングは全身に強い負荷がかかるスポーツです。体が硬くなる冬場は特に登る前にストレッチをしっかりとしましょう。
③マットの上は登るとき以外は乗らないようにしよう
➀でも書きましたが、登っているクライマーはマットの上の状態について気を配ることは難しいです。不意に落ちてきたり、予想外の方向からクライマーが飛んできたりします。休憩や課題間の移動などはマットの外で行うようにしましょう。マットの上では常に周りに気を配っているくらいでちょうどいいです。※子どもの事故はこれが多いです。
④無理をしないようにしよう
子どもだけでなく大人にも言えることですが、実力以上のことをしようとすると怪我につながります。室内ボルダリングで起きる大きな怪我の多くは落下した時の着地姿勢によるものです。高いところで横っ飛びにムーブを起こすなどして落下時に腕や首を体の下敷きにすると大けがにつながります。足首のねん挫などもよくあります。落下姿勢のコントロールができるようになって一人前です。落下時もなるべく足から落ちられるように意識していきましょう。※筆者もボルダリングジムで事故現場を何度か見たことがあります。
⑤飛び降りないようにしよう
筆者も経験がありますが、登り切った後飛び降り続けると膝にダメージが蓄積します。マットがあっても確実に貯まる疲労。続けるとそのうち痛みとなって現れます。長くクライミングを続けるためにも登り切った後も可能な限りクライムダウンすることをこころがけましょう。
ニュースサイトでのクライミング事故はほとんどが岩場です。
昨今、ネットニュースなどでクライミングの事故について取りざたされることが多くなってきました。ネットで「クライミング 事故」と検索するとたくさんの検索結果が出てきます。こういった記事を見て心配になるのももっともだと思います。ただ、よくよく記事を見てみると子どもの事故といったものはほとんどなく、多くは「大人の岩場での事故」です。クライミングは危険を伴うスポーツです。岩場での事故も装備の確認ミスなどのヒューマンエラーが多くみられるように思います。プロが登るようなルートはそれ相応の危険も伴いますが、私たちが行うような趣味としてのクライミングではしっかりと情報収集し、一人ひとりが気を付けることで危険の多くを回避することができます。繰り返し記述しますが、自分の実力を知り、無理をしないことが怪我を回避する一番の方法だと思います。
クライミングマットとロープクライミングについて
ボルダリングにはマットを使います。クライミングジムに敷いてあるマットは厚さ30cmのものが多いですが、ジムによって硬さが違います。余談ですが、公式戦で使うようなマットはおそらく一般の方が想像しているマットよりかなり硬いです。マットは柔らかすぎると落下時に足がマットの下の地面についてしまうことがあります。何が言いたいかというと、マットがあるから大丈夫ではなく、マットがあっても落ち方がまずいと怪我をしてしまうリスクが十分にあるということを知ってもらいたいです。
安全面でいうとトップロープの方が安全です。リードクライミングと違い、トップロープは最初からゴールにロープを通してあり、それにぶら下がって登ります。落下時の衝撃もなく、安全にクライミングを楽しむことができます。
安全に気を付けて楽しいクライミングライフを!